2008-11-30

今どきテレビを見るのは別の意味でみっともないと思ってしまう

はてダに、


という記事があったのだけれど、これを読んで、そう言えばテレビ見ている人は本当に少なくなったなあということに思い至った。

ぼくは、毎日仕事場で若い人たちとよくおしゃべりをしているのだけれど、最近は「昨日、××の番組でさ」なんてテレビバラエティ番組の話題を持ち出す人というのをとんと見かけない。特に若い人ほどそうだ。

よく出るのはやっぱりインターネットとかケータイサイトで仕入れてきた話題だ。一番はニュースとか社会情勢の話だ。オバマがどうしたとか、サブプライムみたいな海外の話題を持ち出す人もいる。

次によく見るのがネタみたいな陰謀論ニュースを語る人で、中国とか朝鮮の話が多い。けっこういい歳をした大人なのにユダヤ陰謀論が大好きな人がいて面白い。みんな常識ある勤め人なので、もちろん本気で信じている訳じゃないけど、ああいう風に真顔で語りを入れられるとうっかり信じちゃう人がいるのもよく分かる。

それからたまに新聞を読んだり雑誌を読んだり、あるいは新書を読んで知った知識を持ち出す人を見かけるのだけれど、テレビの話をする人というのはほとんど見かけなくなった。

かく言うぼくは、昔は本当にテレビを見た。特に学生の頃は、朝から晩までテレビ漬けだった。

その頃のぼくは、ほぼ毎日、その日に放送されるお気に入りのバラエティ番組を録画して、帰宅したらすぐに見るのが習慣となっていた。当時、ぼくはおばあちゃんと一緒に暮らしていたのだけれど、彼女はどちらかと言えばテレビに否定的で、いい大人がテレビばっかりを見るのは、みっともないと言って眉をひそめた。そうしてぼくには、あなたはまだ学生だからぎりぎり許されるけど、大人になってまでまさかテレビを見るようなことはないわよね?と、遠回しに釘を刺してくるようなところもあったりした。

しかしその頃のぼくは、大人になったらどうなるかなどというのはちっとも考えたりしなかったので、そんなふうに言われても、何かを思ったり考えたりすることはなかった。

それから長い歳月が過ぎて、ぼくはいつの間にか大人になっていたのだが、気がついてみると、全くと言っていいほどテレビを見なくなっていたのである。つまり、おばあちゃんが望むような大人に、一応はなれたわけだ。

ところで、ぼくがテレビを見ない理由は一つしかなくて、それは面白くないからである。ぼくは今、本当に見たい思えるテレビというのがほとんどなくて、わずかに「Perfume」と「タモリ倶楽部」と「サラリーマンNEO」だけだ。ビデオに録画するなんて本当になくなった。だから、電車の中や飲み屋でテレビの話題を面白そうに語る大人を見かけると、「いい大人が……」とは思わないけれども、面白さの感性みたいなものは疑ってしまうのである。「どうしてあんなくだらないバラエティ番組に、貴重な時間を使えるのだろう?」と。

面白さなんて人それぞれという考え方もあるけれども、テレビ局の売上げは本当に落ちているらしいから、単純に「人それぞれ」で済まされる問題でもないと思う。どうひいき目に見たって、やっぱり今のテレビは面白くなく、だから見る人が減ってるのだろうし、ぼくも見なくなったのだろう。

そういう意味で、いまだにテレビを見ている人とか、そんなものを作るのに人生を賭けている人に対しては、「いい歳をして」という意味ではないのだが、面白さに鈍感な人だなあという意味では、やっぱり「みっともない」と思ってしまうところはあるのである。本当に便利なテンプレートだと思う。

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