10/7 派遣労働者の使いすての実態をただす 志位委員長の衆院予算委質問
http://www.nicovideo.jp/watch/so4858169
これを見ていて思ったこと。
それは年功序列で給与があがっていく給与テーブルにあるのではないだろうか。
企業側が需給に応じて人員調整を行いたいと望むのは自然な話。また従業員が安定して生活できることを望むのも自然な話。
現行の派遣労働は企業側にとってはメリットがあるが、従業員側にはデメリットである。その点で共産党の言い分は正しい。
要するにフェアではない。
では共産党の意見を採用し、従業員を全て正規雇用としたときに、何が問題となってくるか。
それは既にその会社に設定しているであろう年功序列タイプの給与テーブルが障害となる。
従業員を正規雇用したときに年功序列の給与テーブルだと企業は20-30年後に非常に大きな負担を強いられることになる。
これは2000年前後の就職氷河期を考えてみればわかりやすい。
しかし団塊の世代が高給をもらっており、人件費がコスト圧として重くのしかかってきたため若手を正規雇用する余力がなかった。
その際に、現行給与テーブルから離れた場所で、若者と企業をうまく繋いだのが派遣労働だと思う。
いまは団塊の世代が退職しつつあり、人件費のコスト圧が弱まっているので、新卒採用が増えてきている。
しかし、労働集約系の企業は期間労働という非常に企業側にうまみのあるシステムから
わざわざコスト圧が高まる正規雇用に切り替える動機がないし、明らかに20-30年後に負担が再発することも見えている。
であれば、両者共にもっと歩み寄らなければならない。
そこで私が提案したいのは、次の2点。
「年功序列ではない新しい給与テーブル」・「終身雇用ではない新しい雇用体系」である。
つまり、年功序列を廃止し、代わりに賞与で対応すること。この賞与は純利益のうちの何%を賞与原資とすると明確に定める。
また雇用を正規雇用とする代わりに、ある一定の条件(赤字など)となった場合、退職者を定められた比率でだせるようにすること。
この改正による問題点は、既に高給をもらっている従業員が不利益を被ることである。
特に40歳以降の大半は不利益を被るであろう。
なぜならこの層が年功序列型の給与テーブルでは恩恵を得られているからである。
この世代は子育て世代でもあり、ローンが残っていることもあるだろう。
その結果として生活に困ることも発生するかもしれない。
ここで政府の出番だと思う。制度変更によって生活に困ってしまう人たちに対して必要な保障を一定期間行う。
つまり政府としては、企業の給与テーブルを少子高齢化の時代に即したものに変更することを推奨する。
また、それによって生じる問題に対して保障を一定期間行う。
このようなことを施策として打ち出してみてはどうだろうか。
こんなにうまくいくかどうかはわからないが、現行の年功序列制度では少子高齢化に対応できない。これは一刻も早く国全体のレベルで是正すべき。
若者が将来に不安を抱え、お金を回さなくなれば、中長期的に国が衰退してしまうのは確実だ。本案、いかがなものだろうか?
★これは上述のニコニコ動画をみての感想なので、大企業を想定しています。中小企業だとだいぶ様子は違うでしょうね。あしからず。
なんか城繁幸が言いそうな内容だな。 その城が似たようなことを http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615563#2615563 で書いている。