2008-10-18

やけに物分かりのいいやる夫で学ぶ、「ニセ科学

やる夫 「ふぁーんたすーちぽー♪」

やらない夫 「えらくご機嫌だな、どうした?」

やる夫 「フフーン、昨日イイ話を聞いたんだお。これでやる夫は幸せになれるお!」

やらない夫 「なんだ、株の必勝法でも聞いたのか?」

やる夫 「何言ってるんだお。これだから心の汚れたやつは、、、」

やらない夫 「おいおい、随分だな。で、イイ話って何だ?」

やる夫 「うむ、やる夫は優しいから教えてやるお。感謝するお。」

やらない夫 「はいはい、やる夫は優しいです。で、早く教えてくれ。」

やる夫 「なんか言い方か気にくわないが、まあいいお、、、やる夫が聞いたイイ話、それは、”水の結晶”の話だお。

やらない夫 「・・・ほう、水の結晶、ね。どんな話なんだ?」

やる夫 「聞いておどろけお、、、水は言葉によって結晶の形を変えるんだお! これはすごい話だお!!」

やらない夫 「・・・それは興味深いな。詳しく聞かせてもらおうか、、」

やる夫 「お、やらない夫も興味を持ったかお。当然だお。やらない夫にも教えてやるお、感謝するお。」

やらない夫 「うむ(なんかテンションが異様に高いな、、、)。頼む。」

やる夫 「なんか、今日のやらない夫は、いやに素直だお、、、まあいいお、説明するお。」

やる夫 「これは、”水からの伝言”という話だお。言葉が水に影響を与えることを実験で確かめた画期的な話だお。

やらない夫 「ほう。」

やる夫 「それを言い出したのは、”江本勝”という人だお。この人は天才だお。ノーベル賞ものだお。

やらない夫 「で、その実験というのは、どういうのなんだ?」

やる夫 「ふふふ、、、これはすごいお。水に”ありがとう”という言葉を聞かせてから凍らせると、なんと、綺麗な結晶が出来るんだお。しかも、”ありがとう”を書いた紙を、水が入ったビンに貼り付けても、同じになるお! さらに、だお。”ばかやろう”とか”ムカツク”だと、結晶がぐちゃぐちゃに崩れるお! これはヤヴァイお!!」

やる夫 「これから、感謝言葉を常に使うように心がけるお。人間の70%は水で出来てるから、きっと健康にもいいお

wwwwww 良くない言葉を使うと、病気になるかもしれないお、おっかないお!!」

やらない夫 「うむ、、、やる夫よ。」

やる夫 「ん、なんだお? あまりの話に、すぐには信じられないかお? まあ仕方ないお。ボンジンにはとーてい受け付けられない話だから、やらない夫にもすぐには無理だお。

やらない夫 「いや、そうじゃなくてだな、、、それは、”ニセ科学”なんだよ。」

やる夫 「ん、”ニセ科学”? やらない夫、何言ってるだお? とりあえず落ち着くだお。

やらない夫 「まあ、よく聞け、、、それは、実験したと言ってはいるが、実はデタラメなんだよ。」

やる夫 「ああっ? お前何言ってるお!? ふざけんなお!!」

やらない夫 「落ち着け、、、”水からの伝言”、略して水伝”と言われることもあるが、それは、科学専門家からはデタラメだと言われている話なんだよ。」

やる夫 「そんなのどうでもいいお! それは、科学者が間違ってるんだお! 常識にとらわれた科学者に江本先生の高級な理論は理解出来ないんだお!!」

やらない夫 「とにかく、落ち着いて聞いてくれ。よーく、水伝の言ってることを考えてみるんだ。江本氏は、”良い言葉”をかけると”美しい結晶”が出来る、と言っているんだろう?」

やる夫 「うむ、そうだお。

やらない夫 「そこで言われる”良い言葉”ってのはなんだ? ”美しい結晶”ってのは?」

やる夫 「?」

やらない夫 「つまりだな、”良い”、”悪い”、”美しい”、”汚い”のはどう決めてるかってことだ。」

やる夫 「何言ってるお? 良い言葉は”ありがとう”とかで、美しい結晶は形が整っている物に決まっているお。」

やらない夫 「いや、ありがとうが良い言葉って、じゃあ、他の国の言葉はどうする? 英語に”ありがとう”って言葉はないぜ?」

やる夫 「それは、どんな言葉でもいいんだお。感謝言葉波動が水にいい影響を与えるお。」

やらない夫 「波動、ねえ、、、それは、言葉から出るのか?」

やる夫 「そうだお。言葉にはそれぞれ波動があるお。いい言葉からはいい波動が出るお。」

やらない夫 「言葉ってのは、意味と音がそのまま対応してるわけじゃないだろ?」

やる夫 「ん? それはどういうことだお?」

やらない夫 「一番わかりやすいのは、同音異義語だな。それに、同じ言葉でも、人によって音は違うだろ。俺とお前の声も違うしな。」

やる夫 「そんなの屁理屈だお! 細かいこと言うなお!!」

やらない夫 「いやいや、それはダメだろ、常識的に考えて、、、良い言葉でどうこうってのは、江本氏が言い出したんだから。」

やる夫 「むう、、、そうだ、言葉を使った人から波動が出るんだお! ”ありがとう”を言ってる時の心が影響するお。」

やらない夫 「いや、それもおかしいな。だって、その”実験”とやらでは、紙に書いた文字を”見せる”んだろ? 書いた時の波動とやらが、文字に乗り移るのか? それだと、文字はなんでもいいんじゃないのか?」

やる夫 「むう、、、、」

やる夫 「でも、実際、実験では綺麗な結晶が出来たお! これは間違いないお!!」

やらない夫 「そう思ってる人は多いみたいだな、、、実は違うんだよ。」

やる夫 「どういうことだお?」

やらない夫 「江本氏は、実験とは言ってるが、どういう状況でそれをやったのか、はっきりさせていないんだな。言い出した側が、どういう実験をしたかちゃんと明らかにして、他の研究者が確認出来るようにする。これ、科学の基本な。で、江本氏は、それをやっていないわけだ。」

やる夫 「むう、、、もしそれが合ってるとしても、”ニセ科学”は言い過ぎだお! 将来証明されるかも知れないお!!」

やらない夫 「(本当は証明しようがないんだが、まあ、そこまでの理解は今は無理か、、、)まあ、仮に、将来実証されるかも知れないというのを認めるとしよう。でもな。それでも、”ニセ科学”には違いないんだよ。」

やる夫 「何言ってるお! 証明されてないからニセ科学なんて、おかしいお!! 科学者の傲慢だお!!!」

やらない夫 「ああ、お前は、”ニセ科学”の意味をわかってないんだな。まあ、しかたないことか、、、」

やる夫 「なんだお! バカにするなお!! スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルボンバーを食らわすおっ!!!」

やらない夫 「ああ、わかったから、まあ聞け。お前、”ニセ科学”をなんだと思ってる?」

やる夫 「はあ、はあ、、、ん? そんなの決まってるお。超能力とかのことだお。

やらない夫 「うーん、具体例を出すだけじゃアレだが、まあいい、、、うん、それは間違ってるな。」

やる夫 「どういう意味だお?」

やらない夫 「水伝は、ここ数年、”ニセ科学”として批判されてきて、批判している科学者の代表的人物が、大阪大学菊池誠教授なんだが、、、菊池教授や、菊池教授に賛同してニセ科学”を批判している人達は、それに、”科学でないが科学を装っている”という意味を持たせている。」

やる夫 「ややこしくて意味がわからないお、やる夫にもわかるように噛み砕いて説明するお!」

やらない夫 「(態度デカいな、、、)つまりだな、科学的に証明されていないだけでは”ニセ科学”とは呼ばれない、ってことなんだよ。お前、水伝が証明されてないと仮に認めるとしても、ニセ科学は言い過ぎだ、って言ったよな? だけど、ニセ科学ってのは、科学で実証されてないもののことじゃなくて、”実証されてない”のに、”実証されたかのように”言うものなんだな。江本氏は、”実験”で確認したって言ってるだろ。それは科学の話だよな。”実験”なんだから。んで、さっき言ったように、江本氏側は、まともな実験なんてしてないわけだ。これは、論文が出てないことからも言える。そこら辺の中学生が”実験して理論を見つけた、と言っただけじゃダメだ、というのはなんとなくわかるだろ? それと同じだな。」

やる夫 「うーん、なんとなくはわかるお、、、つまり、科学じゃないもの、じゃなくて、科学じゃないのに科学っぽく言ってるものってことかお?」

やらない夫 「そういうことだ。ああ、ちなみに、だが。江本氏は、雑誌インタビューに答えて、水伝ポエムだ、ファンタジーだ、と言ったんだが、これを引き合いに出して、江本氏はそもそも科学と言ってないんだから”ニセ科学”という批判は的外れだ、と擁護する意見もあるんだな。これはおかしいんだが、どうしてかわかるか?」

やる夫 「いや、わからないお。科学でないって言ってるんなら、確かにニセ科学というのはおかしいんじゃないかお?」

やらない夫 「うむ、ある種の典型的な考えだな、、、よく考えてみろ、水伝は、言葉によって水の結晶の形が変わるといって、それを”実験”で確認したわけだ。これはつまり、自然がどうなってるか、その仕組みについて新しい事実がわかった、と言ってるのと同じだよな?」

やる夫 「まあ、そうなるお。」

やらない夫 「で、だ。理科の授業では何を習う? 物質は原子や分子で出来ている、とか、化学反応のことをやるだろ? それって、自然の仕組みがどうなってるか、ということだよな。それを考えると、江本氏が言ってるのは、”科学”の話なわけだ。まあ、言い逃れだな。そういうのを認めてしまうと、たとえば、何かを食べてやせられる、それを実験で確認した、って根拠もないのに言って、そこを突っ込まれると”科学の話じゃない”って言い逃れするのも認めるってことだ。”科学”という言葉を使わなければ科学の話ではない、ということじゃあないんだな。」

やる夫 「むう、、、なんとなく分かるお。○ャネルにクリソツなバッグを売って突っ込まれて、それはオリジナルだ、って言い逃れするようなものかお。」

やらない夫 「まあ、それに似ているな。作ったやつがシャ○ルなんか知らんと言い張っても、普通通用はしないだろうな。まあ、厳密には違う所もあるかも知れんが。」

やる夫 「それで、”ニセ科学”には、他に何があるお?」

やらない夫 「有名どころでは、”血液型性格判断”があるな。これは最近テレビや本でも再ブームになってるみたいだし、かなり浸透してるからな。定番だろう。」

やる夫 「それなら、”科学的根拠がない”って話は聞いたことあるお。」

やらない夫 「うむ。まず、血液型性格判断は、科学的には否定されている。まあ、まだ確実にわかったわけじゃない、と言う人はいるが、どっちにしても、それが成り立つのは証明されてないわけだ。ああ、統計とった、と言ってる人はいるが、あんまり意味ないな。さっき言ったみたいに、ちゃんと論文してないとダメなわけだ。これは、手続きの問題でもあるな。そういうのをきちんとしないと、どんな適当なことでも、わざわざ証明しに行かなければならんという話になる。だから、言いだしっぺが証明するのと、それをちゃんとした場で発表して確かめてもらう。これ科学の基本な。言うだけなら誰にでも出来るってことだ。」

やる夫 「でも、占いならいいと思うお。合コンで盛り上がれるしwww」

やらない夫 「ああ、血液型性格判断ってのは、占いじゃないんだな。A型にはこういう性格人間が多い、だから、血液型を知ったら性格も当てられる、という話だろ? だから、それが正しいと思って使ったら、それはニセ科学なわけだ。自然の仕組みの話をしたら、科学と言わなくても科学の話になりうる、というのと一緒だな。ただ、B型今日の運勢は、、、という意味での”占い”なら、俺は構わんと思うぜ。まあ、ここは、色んな考えの人がいるが。」

やる夫 「他にも何かあるのかお?」

やらない夫 「ああ、これはお前もよく知ってるな。”ゲーム脳”だ。」

やる夫 「”ゲーム脳”!!!! きたお!! ゲーマーを不当に貶めるウソだお!!!!」

やらない夫 「(思った通りの反応だな、、、)まあ落ち着け。俺も気持ちはわかるが、、」

やる夫 「ハア、ハア、、、うう、軽く取り乱したお。あれも”ニセ科学”と言うのかお?」

やらない夫 「うむ、そうだ。ところでやる夫よ。」

やる夫 「?」

やらない夫 「お前はゲーム脳デタラメだと思ってるよな。それはなぜだ?」

やる夫 「そんなの決まってるお。ゲームやって脳が壊れるなんてありえないお! 現にやる夫も、1日16時間ゲームやってるけど、こんなに頭脳明晰に育ってきたお!!」※ゲームはほどほどにしましょう。

やらない夫 「(ダメだこいつ、早く、、、)いや、それはおかしいな。」

やる夫 「なんでだお! やらない夫は、ゲーム脳かばうのかお? お前は森昭雄を擁護するかお!!」

やらない夫 「なんでそうなるんだよ。ゲーム脳ニセ科学だと言ったろうが、、、まずだな、お前は、自分の経験から、ゲーム脳はないと思ったわけだ。自分は大丈夫だから(って、大丈夫じゃない気もするが、、、まあいいか)間違ってる、ってな。」

やる夫 「そうだお。それがなにかおかしいかお?」

やらない夫 「うむ。結局、個人の思い込みから否定してるんだから、思い込みでニセ科学を広める人と変わらんわけだな。大体お前、水伝を鵜呑みにしてたじゃないか。」

やる夫 「むう、、、」

やらない夫 「ゲーム脳がなぜデタラメか、それも水伝と同じようなものだ。まともな論文はないし、実験もめちゃくちゃだし、大体、ゲーム脳定義もないわけだな。ググれれば沢山批判はあるから、それを見るといい。仮に、ゲーム脳意味を、”ゲームのやりすぎで脳が壊れる”としとこう。これは定義にはなってないが、まあ、それはおいとく。そうすると、ゲーム脳ってのは、”あっても構わない”、ちょっと小難しく正確に言うと、”その現象は存在してもおかしくない”というわけだな。だけど、ゲーム脳を言い出した森氏は、証明は全然出来てない。さっき定義がないって言ったが、脳のある部分の機能が低下するって所も、どのくらいそうなるか、とか、どうやって測定するか、とか、とにかくデタラメなんだな。それなのに森氏は、実証したと触れ回ってる。だから、”ニセ科学”。それがありえないという決め付けじゃなくて、証明されてないのに証明されたと言ってるから、そう言われる。」

やる夫 「つまり、やる夫も、ゲームが好きだからゲーム脳デタラメだと決めつけてしまった、ってことかお、、、」

やらない夫 「そうなるな。血液型性格判断でも同じようなことがある。自分の血液型を当てられたことがないからデタラメだ、という感じだな。でもそれはダメで、重要なのは、それが科学の手続きで証明されているか、という部分なんだよ。血液型性格判断も、それはあってもいい話だ。割合が偏っていれば成り立つんだからな。だが、実際調べられて、否定されたわけだ。そこを押えとかなくちゃならない。批判もきちんとしないといけないってことだな。」

やる夫 「うむ、、、なんとなくわかってはきたお。やる夫も”ニセ科学”に興味を持ったお。どこか、いい資料はないかお?」

やらない夫 「いい心がけだ。ニセ科学批判は誤解されることも多いからな。いくつか教えるから、調べてみるといい。」

やる夫 「おk。・・・やらない夫。」

やらない夫 「なんだ?」

やる夫 「色々教えてくれて、ありがとうだお!」

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以下、ニセ科学論について参考になる資料を挙げます。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/index.html

菊池誠教授大阪大学による、ニセ科学関連のテキストニセ科学批判を行っている代表的な人物です。ニセ科学がどういう意味か、なども書かれているので、参考になります。菊池教授ブログhttp://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php)では、ニセ科学問題を中心として活発な議論が行われています。

http://www.cml-office.org/ww-gl/

天羽優子准教授山形大学サイトブログ掲示板など、充実しています。

http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/

田崎晴明教授学習院大学による、「水からの伝言」批判。水伝問題点が、分かりやす言葉で丁寧に書かれています。必読です。

http://www.tv-game.com/

ゲイムマンさんのサイトゲーム脳批判が充実。山本弘氏や斎藤環氏へのインタビューもあります。

http://www1.doshisha.ac.jp/~yshibana/etc/blood/archive/index.html

柴内康文准教授同志社大学の、血液型性格判断を検討した文書。大変丁寧に書かれていて、読みやすいです。

http://www39.atwiki.jp/cactus2/

ニセ科学論についてのwiki。とても詳しく説明されていて、情報も充実しています。

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