2008-05-09

仕事の出来る友人の話

同人誌即売会に行く朝、私は直前までコピー本原稿を描いていて、売り子をしてくれる友人Aとの待ち合わせに完全に遅れそうになっていた。もちろんチケットは私が持っていた。

そんな時に自宅を出たらしいAから「ごめん、乗換案内で調べたら5分遅れるっぽい」というメールが入ってきて、さらに焦った。私はまだ家にいたからだ。

私は5分どころじゃない。○○町のキンコに寄るから、どう考えてもさらに30分は遅れそうだと謝罪すると、「○○町のキンコって○○駅?じゃあそっちに向かうよ。コピー手伝う」と返信がきた。Aは○○駅周辺の地理に詳しくなかったので、場所分かるの?と聞くと、「携帯で調べる」と返ってきた。最近携帯は便利になったものだなと思いつつ、○○町のキンコに行って愕然とした。日曜で閉まっていたのだ。

半泣きでAにメールすると、○○駅に向かっていたらしいAからさらにメールがきた。「おk携帯で調べてみたけど、そっからなら××町のキンコが一番近いっぽい。電話したら開いてた。今、5人待ちだって。キミの携帯に住所と地図URL送るからそれ見せてタクシー乗れ」。

あまりにも鮮やかなAの対処に惚れ惚れしながら××町のキンコに行くと、同じ目的らしい人で埋まり、既に10人待ちになっていた。開場に間に合わないかもしれないと思い、もう一度Aにメールすると、「他のコピー屋さん何件か電話してみたけど、どこも似たようなもんだったよ。諦めて並べ、もうすぐ着く」。

ようやく合流した後、Aは私の前にまだ何人も並んでいることを確認して、「表面だけ向かいのコンビニで刷ってくるよ」と言って、私を残してコピーに行ってしまった。確かに、両面コピーをするならキンコで刷らなきゃと思い込んでいたけれど、表面だけを刷る分にはコンビニコピーで充分だったのだ。

Aが戻ってきてからも散々並び、裏面コピーを始めたころには既に開場間際だった。Aは、コピーするそばから袋に入れていく私を制止して、「コピー中に折れる分だけ折っちゃうよ」と言って、折り始めた。コピーを終えたころには半分以上が折れていた。

キンコを出て、遅刻だなぁ荷物どうしようかなぁと思っていたら、「会場にいる(共通の友達)ちゃんに連絡して、荷物引き取ってもらって遅刻表示出してもらおうか?あの子のところ台車あるし売り子3人いるから頼めるかも」。

タクシーを拾おうとしても1台も通らず途方にくれていたら「そこのコンビニで呼んでもらうね」。

会場製本って嫌がられるかなぁと言うと「タクシーの中でやればいいんじゃない?」。

一つ一つはなんでもないことかもしれないけれど、私はこのAの全ての行いが神様のすることのように思えた。目の前に山積している懸案を一つずつクリアしていく要領のよさ、応用力に感動すら覚えていたのだ。仕事のできる人間とは、Aのような子のことを言うのだなぁと、自らを恥じるとともに、3つも年下の友人をさらに尊敬した。ちなみに、会場でも散々お世話になりました。

  • なんでだろう泣きそうになった。疲れているのかな。

    • いや、私も泣きそうになったよ。 もうひとつ思い出した。トイレに行くといって中座したAがね、宅配の伝票をついでに取ってきて「搬出の時じゃ焦るでしょ?手が空いてる時に書きな...

  • 要領の良さとか応用力の前にさ。 なんで売り子との待ち合わせに遅れそうなことが分かっているのに、事前に連絡しようともしないの? 仕事云々の前に、社会人としてどうよ?

  • なんか、悪いけど友人Aが普通(もちろん有能で行動力があるけど)で、 あなたが異常に段取り悪いだけに見える。 そういう自分は同人誌作ったことある人なんですけど。 当日まで終わ...

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