2008-03-26

石転ぶ夜

もし深夜の散歩の途中で足もとがよく見えずにドンッて感じの石にズテッと転んだとしよう。というか転ぶ。

すると頭の中がぐるぐる周りだすんだ。見覚えのあるぐるぐる。このぐるぐるは小学生のころに見たぐるぐるだよ。

ゲーム版ウルトラマンを起動させたときのぐるぐるなんだよ。

つまりはテレビOPの、赤とか黄色とかが交じり合ってできるウルトラマンの文字。あのぐるぐる。

でも、私の頭のぐるぐるは「ウルトラマン」の文字を作らない。私のぐるぐるが作り出す文字は「お前死亡」。でーん!

そして0コンマ何秒の世界で今までの人生を旅する。今まで出あった色んな人の顔が現れては消えるよ。

お母さん、お父さん、名前覚えてない、名前覚えてない、名前覚えてない、怖い顔のお父さん、新しいお父さん。

そして、最後の最後。走馬灯クライマックス。0コンマ何秒前の転ぶ瞬間がまた繰り返されそうになったその時! 

私を地獄の底に突き落とし、前途ある若者未来を理不尽にも奪い、すべてを亡き者にする死神、つまり石がこう語りかける。

「泣いて泣いて鼻水すすって泣いて。それほどの悔いが残っているんなら、譲歩してやらんでもない」

ジョーホって何ぞや。こうして私は死にました。

  • 知り合いに似た文体の人いるなぁと思いながら読んだ。 もしその知り合いだったら早くダイアリー更新してください。 あなたの面白い文章を読めなくなって残念なんですよ。

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