2008-01-13

レンタルショップweb

なんか眠れないから増田に書く

昔、私が勤めていたある小さなレンタルショップ屋さんでのお話

そのお店は私が入るまでは従業員が二人という本当に小さなお店。店は狭く、商品の品揃えは悪い。しかもDVD全盛のこんな時代なのに未だにレンタル商品の八割がVHS田舎のほうにあるお店ならばVHSのほうが回転率が高く売り上げが良い場合もあるが、結構都会にあるお店だったのでそうもいかなかった。主要客は単身赴任の男の人やOL。お年寄りが主要客だったならVHSでも悪くなかったのだけど。ともかく立地、相性ともに悪かった(経営努力が足りないと言われてしまったらお手上げだが、事実どこも厳しい状況だ)

そんな売り上げも大して良くない状況の中、近くに大型レンタルショップが出来た。売場面積は広い。在庫豊富。旧作も網羅。レンタル料金も安い。しかも、そこの会員カードコンビニでもポイントたまる。もうわかったと思うがそんな大型レンタルショップが近くに出来た

さて、どうするか。オーナー以下従業員全員で考えた

レンタル料金を安くする。」安くしても在庫豊富でないうちの店ではそんなに回転率を上げられないし利益はでない

「個性あるお店作り。」ある程度はこれで状況が改善できるのかもしれないが現実はそんなに甘くない。お店の雰囲気がいくら変わろうと肝心の商品がないと悪化の一途をたどる

ならば「在庫を増やす。」そうすればいいではないかと思われるかもしれないが。知っておいて欲しいのはレンタル専用DVDセル専用DVD(みなさんが一般に購入したりしているDVD)の仕入れ価格というのは大きく違う。たとえばセルDVDの仕入れ値が¥3980だとするとレンタルDVDの仕入れ値は¥9800ぐらいになる。一本のレンタルDVDを入荷するのに一万近くの仕入れ値が必要になるのだ。・・この額は実はかなり厳しい

例えば新作DVDを¥10000で入荷したとして新作料金1泊¥500で貸したとする。最低でも20回レンタルされなければ元も取れないって事だ。超大作や人気作(最近ならばトランスフォーマーパイレーツ3など)でも新作期間中に元が取れる事なんてのはなかなか無い。元が取れるのは準新作や旧作に落としてからが大半

しかも最近レンタル開始日とセル販売日が同じという場合がある。これはレンタルショップにとってかなりの痛手。同時リリースだと、公開された当時観れずにDVD化楽しみにしていた人がレンタルをしなくなってしまうのだ。昔の形態、レンタルが先で後にセル開始ならば「レンタルで観て面白かったらセル盤も買う」という形でレンタルされることもあったのに。現在は同時が主流になってしまっておりレンタル業界はさらに苦しむ一方だ

レンタル業界セル盤仕入れ価格レンタル盤仕入れ価格を同じにするよう販売側に働きかけているのだが、ニコ動のせいだとか違法ダウンロードのせいだとか声を上げている販売業界(でいいのか?・・適切な表現がみつからない)をみればわかる通り、DVDの売り上げ自体も落ち込んできているので(何が原因かは別にして事実、落ちている)、この要求に応じる事は今後もないと思う

大型ショップはどうなのかは知らないが中小のショップは間違いなく苦しい状況にある。それでもなんとかしのいで経営を続けている。・・セル盤をレンタル盤として使っているというお店の話もちらほら聞く。・・中小のお店には少なからず存在しているだろう

DVDが売れなくても何も問題はないのかもしれない。これは必然の、時代の流れの一つだと思うし。ただ有形物販売業界現在かなり厳しい

別に業界を擁護するつもりはない

ただweb上で音楽映画などのメディアが栄えて誰かが利益をあげていると同時に街角の販売店やレンタルショップが潰れたりしているという事実がある

盛者必衰の理なのかもしれないが・・なんとも無情で残酷

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