2007-12-01

増田ラノベ

(注:これは古いバージョンです。)

第1回 ヒロコの苗字

「・・・でもねぇ、すっごくすてきなことも言ってるの。」

と、彼女は言った。たぶんヒロコという名前なのだろう。なにしろ胸の名札に【ヒロコ】と書いてある。

舌足らずな口調で、意味のわからないことをしゃべり続けている。もう3時間も。

いくら可愛い子でも、これはうんざりだ。

「『一身にして二生を生きる』ですって。二回も生きるなんて、お得だなあって、思いません?」

「は、はあ・・・」

なんだ、いったい何の話なんだ・・・。全然わからない。相槌すら疲れた。早く帰りたい。

俺はいったい、何をしているんだ。なぜ、今ここにいるんだろう。

なぜ俺は、ハローワークにいるんだ?

 

ああそうだ。お袋が病気で倒れたんだ。お袋ももう年だ。あまり無理しなくていいのに。

そうだ、それで仕送りが止まって。ネットも水道もガスも電気も、全部止まったんだった。

仕方がない、コンビニ行ってタダの求人誌でも持って帰るかと、久しぶりに外の日の光を浴びたんだった。

アパート階段を降りたところで、驚くことに気がついた。アパートの隣がいきなりハローワークだったのだ。

いつできたんだ?もともと空き地だったんだっけ?

しかし俺もしばらく部屋から出てなかったとはいえ、気づかないなんてことがあるだろうか。

それでもハローワーク存在していた。中を覗くと、明かりがついている。

俺はどうしたことか、サンダル履きのまま、吸い込まれるようにハローワーク自動ドアを入っていっていた。

中はいきなりだだっぴろい大きな部屋だった。

左手パソコンコーナーか。金が余ってるのかディスプレイが壁際に列をなしている。

右手はカウンターがあり、その向こうには職員用らしい机がいくつか並んでいる。

目の前には、黒い長いすが置かれている。なにかを待つ場所なんだろう。

だが何か様子が変だ。いや原因はわかっている。部屋の中に、俺以外はだれも人がいない。

開店前なのかな?」

「いらっしゃいませえ。」

つぶやきに、甘く澄んだ女の子の声が返ってきた。声の方を向くと、カウンターの後ろに女の子が一人立っている。

そう、女の子だ。女の子としか言いようがない。背の低い、長く黒髪と碧眼が印象的な女の子だ。

どうみても小学生にしか見えないのだが、職員のような地味な紺の制服を着ている。

彼女は口元に自然な笑みを浮かべて、碧い大きな二つの瞳で俺の目の奥を覗き込んで、そしてこう言った。

「どうぞ、こちらへきてください。お仕事のご相談ですね。」

そして俺は、何も考えずにふらふらと、カウンターの前のパイプいすに座ってしまったのだった・・・。


「・・・だからぁ、時代をいくっていうかあ。未来志向で、若い人はチャレンジって、そう思いません?」

・・・俺はもう38なんだ。若い人じゃないんだ。ちなみに童貞だ。もういいよ。仕事の話はどこにいったんだか。

「じゃあ本題に入るけどお。あなたにちょうど、ぴーーーったりな、すてきなアルバイトがあるんですよぅ。」

「え、えっ?ええっ?えっ?あ、はいっ!」

「簡潔に申し上げますとねぇ、組織内のカサンドラみたいな役割の仕事なの。わかる?」

??は?

「わからない?『炭鉱カナリア』っていったら、わかるかなぁ?」

だから、なにそれは?もう、帰っちゃだめ?



増田連載ラノベ第1回)

ラノベ増田が出てこないので、勝手に書いちゃいました。長文ですません。

(しかも一度Upして反応がなくてさみしいので、再Up。)

ハローワークに行かせてみた。今のところ特に意味もオチもないです。

後の続きは全然考えてないので、誰かいてちゃって(丸投げ)。

ラノベは、よくわからないけれど、これから覚えます。

  • 実際に文章になってみると、38歳って設定にびっくりするな。 元増田は書かなくていいのか?w

  • ラノベ読んだことないけど、結局キャラにインパクトがあってキャッチーなエピソード集みたいな感じなんじゃないの? ハルヒみたいな。 増田の書いたやつはちょっと小説としても起...

    • なるほど。 文章になやんでたんだが、そういう感じか。 解説がわかりやすいな。 とりあえず、導入は、それでいきたいな。

    • 「涼宮ハルヒの憂鬱」発表時は、「普通の人間に興味はありません」の下りは痛々しく受け取られていたからね。でも、読んだ奴が次々発狂して支持者に回った。 ちょっとくらいキャッ...

    • すまん、あれはラノベではないかもしれん。 http://anond.hatelabo.jp/20071201211950 こっちを参考にしてくれ。

    • 3時間かけて並んでいた求職相談はわずか5分で終わった。 「あー・・・、38歳で、職歴なしだとねぇ・・・」 薄く開いた唇を動かさずまるで鼻で喋るかのように担当官は短く言った...

  • ラノベと携帯小説って紙一重だな、って思った。

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