2007-11-18

そもそもそれ解決法じゃなくねーか、という話

今日新聞読んでてふと目に付いた広告についてた漫画。なんか子育ての本らしいんだけど。

×悩みに共感せず、解決策だけを言うとうまくいかない

以下はその例

妻「下の子の世話をしていたら上の子がやきもち焼いて

わざとこれしてあれしてと言うのよ

それで上の子にかまっていると

今度は下の子が泣きだして……もうどうすればいいのよー」

夫「そんなの順番にするしかないじゃないか」

妻「そんなのわかってるわよ。でもそれじゃ子供は納得しないのよ」

夫「だって子供なんだから仕方ないじゃないか。わかってるなら聞くなよ」

妻「もう!ちっともわかってないんだから」

○解決策より、「そうだね」の共感の言葉が大切

以下はその例

妻「下の子の世話をしていたら上の子がやきもち焼いて

わざとこれしてあれしてと言うのよ

それで上の子にかまっていると

今度は下の子が泣きだして……もうどうすればいいのよー」

夫「そうかー。大変だなぁ」

妻「そうなのよ。毎日こんなことの繰り返しよ」

夫「そういや同僚の家も上の子が赤ちゃん返りがひどいって言ってたな。

本当に毎日大変なんだなあ」

妻「まあね。子供なんだからしかたないんだけどね。また明日から頑張るわ」

ってあって比較してあるんだけどさ。

こういう「男性はすぐ解決策を提示しがちだが女性は共感を求めている」ってのはもうゲロ吐くほど最近頻繁にあるどうでもいい話なんだが、これを見てふと思った。

「そもそも、夫が言ってるのは、解決策じゃねえだろ」と。

「そんなの順番にするしかないじゃないか」

これ、解決策じゃねえだろ。ていうか、ほとんど意味がない言葉なんだよな。

順番に上の子下の子次々対応しなくちゃならなくて大変だ。どうにかする方法はないか。

という相談なのに。順番にする、って、そりゃ解決策でもなんでもねえだろっていう。

解決策が無いなら「考えてみたけど解決策は無さそうだ」でいいわけだ。

それを「そんなの????しかないじゃないか」って、この時点でケンカ売ってるだろ。敵意丸出しだろ。あるいはコミュニケーションを拒絶してる。

これで女性側が怒るとするなら、それは「解決策なんて求めてないの!」じゃなくて、明らかに「話を聞く気がない」「お前とコミュニケーションをとる気がない」と宣言されたも等しい状態だからだろ。「こうこうこうで悩んでるの」「んなのしらねえしどうでもいいよ」と言われたも同然だからだ。そりゃ、怒るわな。ていうかショックだろう。

俺はそもそも本当に女性側が解決策なんて求めてないというのに懐疑的だった。

解決策を求めていないのではなくたいていの場合こういったように、「まともな解決策が提示される事自体が超まれ」なのではないかと。

そして男性側は考えてみたがろくな解決策がない時どうするか?っつーと、「考えてみたけど解決策はなかった」まずこんな言い方はしない。何故かっつーと、プライドが傷つくから。考えた結果何もない、では自身の能力が疑われる。それを本人も認めたくないあまりにこうして攻撃的な言い方をするようになる。で、たいていの場合、解決策は無い。なぜかと言うとそもそも相談された時点で、その相談はちょっとやそっとじゃ解決策は思い浮かばないという事をあらわしているからだ。他人に相談するというのは自分で考えた結果どうにもこうにもいかないからこそ相談するのであり、また人間なんてよほど知能が離れてでもしていない限り考える事など大抵同じであるから、一人が考え抜いて尚解決策が見つからなかった相談というのは、結局他人に相談した所でその他人もたいした解決策など通常浮かぶはずもないのだ。

ゆえに↑のような妻と夫のやり取りが多くなる。

自身の事を考えてみれば分かると思うがそもそも他人に有用なアドバイスが出来たためしがあるだろうか?

たいてい思いついて提案してみても「いやそれはこうこうこうでダメだ」と言われないか?

それは、なぜかと言うと、相談された側がここ数分で考え付くような提案など、悩んでいる本人は既にとっくの昔に考え付いていることだからだ。そして考え付いた上で、問題点を見つけている。既に「ダメ」印を押された提案なのだ。相談された側は滅多に提案なんかできないし、できたとしても本人がとっくの昔に考え付いた「ダメ」印付きのものしか思い浮かばない。逆に言えばだからこそ他人にまで相談しているのだから。

別に女性は解決策は求めていない訳ではない。例えば上で言うなら「なら俺が育児休暇を取って上の子をみよう」などと言ったとして「解決策なんて望んでないのよ!」と言う反応を示すだろうか?それは考え難い。「育児休暇なんかとって会社大丈夫?」という反応は有り得るだろうが、それは「その解決策を受諾したとしてその上での問題」について話しているのであり「解決策なんていらない」という拒絶ではない。仮にその会社育児休暇をとっても問題ない、寧ろ推奨しているとして、その夫がそれをとって助けよう、という提案をしたらこの妻はおそらく受諾する。つまり解決策を望んでいないのではない。単にまともな解決策がこないだけだ。

そしておそらく、女性は(女性だけじゃなく男性もそうかもしれないが)それに薄々「気がついている」。他人に相談したってまともな解決策は来ないであろうこと、結局どうしようもない、やるしかないであろうことに薄々気がついている。故に、「やるしかないのなら、せめてその嫌さを軽減するため」共感を求めるようになる。つまり女性と言うのは既に一歩前を歩いているのではないか。解決策より共感が大事、なのではなく、「あなたにまともな解決策があるなら提示すればいいが、ないなら共感せよ」ということだ。そして大抵の場合、まともな解決策など思い浮かばない。「相談→解決法提示される→解決!」などという幻想を抱いているのは、既に男性しかいないのではないか。女性は既にそこに見切りをつけ、「ならばどうするか」と次の段階へ進んでいるのではないか?

それをあからさまに「共感して」という形でなく、相談という形にするのは、「まあダメだと思うが、もしかしたら本当にいい解決策が振ってくるかもしれないから」だ。なんと用意周到な事か……。実は物凄く合理的な形なのではないかと俺は思う。「相談→解決法提示される→解決!」なんて、それこそ幻想なんじゃないか。俺らは機械じゃないのだから、こんな簡単に行くはずがないことくらいちょっと考えれば分かることだ。大抵の人間は凡人で、勿論俺らの周りの人間も例に漏れず凡人なのだ。

そして俺たち男が共感を求めない生き物か?というとそれも考えづらい。大体サラリーマンなんか見りゃわかるが、寧ろ共感の嵐だ。酒のんでは愚痴る。飲み会といえば愚痴愚痴つまみに酒を飲む。そんなのばかり。アメリカの男は友人にすら(弱みを見せる事になるため)愚痴をこぼせず相当辛い立ち居痴だと言われ(そして金を払ってカウンセラー愚痴をこぼす)るが、それも裏返せば「本当は愚痴りたい。この辛さを共感してほしい」と言う事だ。男も普通に共感をして欲しい。ていうか、それが人間だ。恥ずかしいこっちゃない。

男は共感を求めない訳じゃないし、解決法を提示したがるわけでもなくただプライドが高いだけだし

女は共感だけを求める訳じゃなく、解決法など無いと一種の悟りを開き前へ行っているだけなのではないか。

従来の固定概念のままだと、双方にとって何のメリットも無いような気がする。

  • これは、あるだろうね。 女の人は、話を聞いてもらうのが大事なんだよ。 それに的確な相槌と君の話を聞いているよ。という態度がね。 なまじ、 「それって、そうじゃなくてこうなん...

  • あれこれ言う前に、まずはその本を読んでみたほうがいいかと。

  • うんうんそうだよねーあるある その気持ちわかるよーすごくわかる 大変だよねーそういうのって   頭使わずただ共感だけされてもうすら寒いだけなんだけどな

  • 夫「そうかー。大変だなぁ」 妻「そうなのよ。毎日こんなことの繰り返しよ」 これ、こうじゃね? 夫「そうかー。大変だなぁ」 妻「何それ、他人事みたいに。あんたも父親なんだから...

    • 同意。 夫「そうかー。大変だなぁ」 ではあまりに他人事すぎる。 自分が子育てに参加してるという意識がまるで感じられない。 うちの奥さんだったらすげー怒るかも。 夫「そう...

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