2007-10-31

永遠に関するつぶやき

僕には、みんなが普通に生活を送っていることが

ときどき、とても不思議に感じられる。

人はいつか死ぬ。

当たり前のことだけれど、

しかしゆるぎない真実であって、

これが僕にはひどく恐ろしい。

死の痛みは怖くない。

自我喪失は怖い。

怖いけれど、僕が本当に怖いのは永遠だ。

幼稚園小学校低学年の頃、

テレビサンタクロース人形劇をやっていた。

サンタクロース子供好きなただの老人だった。

みんなにプレゼントを配っていた、やさしい老人だった。

やがて、サンタクロースは天寿を全うして死んでしまう。

神々は会議を開いた。

老人のような神、黒い山羊の姿をした神がいたのを覚えている。

神々は話し合う。

我々には永遠の命があるが、人間はいつか死ぬ。

私たちから見れば、人間の一生はあっという間だ。

しかしサンタクロースをこのまま死なせるのは忍びない。

そうだ、永遠ローブを与えよう。

永遠ローブをまとえば、永遠に生き続けることができる。

かくしてサンタクロースは生き返り

世界中子供たちに夢を与える存在となりましたとさ。

おしまい

僕はこの物語を見て、「死」というものを理解した。

自分がいつか消えてしまうということを知って、

その夜、枕を涙で濡らした。


小学校高学年になって、手塚治虫の「火の鳥 宇宙編」を読んだ。

その物語の中で、宇宙船トラブルが起きてしまい、

乗組員それぞれが一人乗りの船に乗って、脱出するというくだりがある。

そして、その中の一人は、軌道がかすかにずれてしまい、

みんなと一緒の方向に行けず、宇宙の果てまで孤独に流れていくこととなる。

別の一人は、惑星の引力に捉えられてしまい、永遠にその星の周りを周ることになる。

マンガとはいえ、「永遠」というものを肌で感じられたような気がした。

永遠ってなんだ。

永遠とは「終わらないこと」だ。

つまり、死んだ後も、その状態は終わらないということ。

永遠に続くということだ。

永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に永遠に・・・

死に続ける。

死ぬということは、消えるということはそういうことなのだ。

そして、永遠の命を得ようとも、

天国地獄があろうとも、

幽霊になったりしようとも、

輪廻を繰り返そうとも、

永遠からは逃れられない。

空想の世界でさえ、永遠から逃れることはできなかった。

それからは、そのことを忘れるように努めた。

思春期、ときどき授業中などに思いだしては、身を震わせて恐怖した。

そしてすぐに頭から振り払った。

まともに考えていては、頭が狂ってしまいそうだった。

そうしたまま、逃げ続けて現在に至るのだけれど、

今でもまだ夜中に恐怖にかられることがある。

その恐怖は、衝動的と表現しても差し支えないくらい、強い。

どうしてみんな、普通に生活していられるんだろう。

たしかにどうしようもないことだ。

だけれど、このことについて語る人はあまりにも少ないし、

誰もあがこうとしていないように見える。

みんな、僕のように逃げ続けているのだろうか。

それとも、折り合いを付けているんだろうか。

僕には到底マネできない。

  • 耽溺しているところ悪いが、それ、割と普通だ。 もっと友達と話しろな。 微妙に関係なさそうでありそうな過去増田↓ http://anond.hatelabo.jp/20070815230644

  • まったく、同感。 友人にそうゆう話振ったら「俺はそんなのあまり深く考えないなー」で終わるし、 世間は「不老不死を求めるなんておこがましい」みたいな空気だし、 ネットだと「死...

  • 永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に...

  • そもそも今ここにいる一瞬が奇跡みたいなものジャン。 平均寿命まで生き続けるとしてもまだまだ長いしなぁ。

  • 死後は自分が永遠に死者であることを認識する主観自体が消滅するんでない? 感じることがないのなら、永遠だろうがどうだろうがあまり気にしなくてもいい気がすっけど。 この「永遠...

  • ごく幼い頃、アレルギー性小児喘息の酷い発作で死に掛けて以降 人生は余生・余禄と思っているし、 息が出来ないのに比べたら 理念で怖がっても別に苦しくはないからなぁ。

  • 大丈夫 君が死んだときに 宇宙は消える

  • 永遠続くと思われた退屈な学校生活も今考えれば一瞬であった。 永遠も一瞬も、美しく。

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