2007-09-21

連載小説超能力一家

長男の右手が西の方向を指した。

「なるほど……」

その場にいる五人の生唾を飲む音が、六畳一間に響いた。

「せーの」

掛け声と共に全員で西の方角を指す。目を瞑りながら。

「き、聞こえるよ!」

一人が声をあげると全員が「おおっ」と声を揃えた。

その音は耳で聞いているんじゃなかった。脳が直接聞いていた。

「相変わらずすごい能力だな……」

ニヤリと笑う次男。垂れた涎がピチャリと床に落ちた瞬間、彼の首が180度真後ろに曲がった!そして戻った!

「ふぅ。最近凝るんだよねぇ」

彼は首を一回転させて肩こりを解消させることができるのだ。

「まったく羨ましいぜ」

磨いていた眼球を戻しながら言う三男。

しかし、その言葉には全く心がこもっていなかった。大学レポートのことで頭がいっぱいだからだ。

「ただいまー」

戦慄が走った。息を潜み、帰ってきた何者かの様子を伺う。

超能力戦争の幕開けである。

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