2007-09-19

たった一つの褒め言葉

http://zapanet.info/blog/item/1090

中学の時、担任の先生が言いました。

人と会う時は、その人の良いところを10個イメージしてから会いなさい

話を終えて、先生は続けました。

「では、実際にやってみましょう。誰から始めましょうか」

早速手が上がりました。クラスで一番の人気者のA君です。

「それでは、Z君のいいところを。毎日僕らにお金をもってきてくれること」

これをきっかけに、A君の友達がつぎつぎにZ君のいいところをあげていきます。

「たたき返さないこと」

逆切れしないこと」

「それを先生に言わないこと」

「それを親に言わないこと」

「それでも学校に来ること」

「シカトしてもニコニコしていること」

「やったのは僕たちでも、捕まるのはZ君なこと」

「誰がやったのかを店に言わないこと」

「Z君に何をしても、先生がぼくらに何もしないこと」

それを聞いていた先生が、我が意を得たりばかりにうなずいて言いました。

「Z君のいいところが、これで10個あることがわかりました」

それを聞いて、Z君がおそるおそる発言を求めました。

先生はそれを無視して授業を始めようとしました。

そのとたん、Z君はどこから手に入れたのか、おもむろに拳銃を取り出して、A君をはじめとしてZ君のいいところをあげてくれた級友の頭を射抜きました。むせかえるような血と硝煙のにおいが漂う中、拳銃先生に向けたまま、Z君はもう一度発言を求めました。

「Z、Z君、なんでしょうか?」

「ぼく、馬鹿だからみんなの良いところは一つしか思いつかない。それも一人一人違うんじゃなくて、みんなおんなじ。それでも、一つあるから言った方がいいよね」

「そ、それはなんですか?」

Z君は先生の頭を打ち抜いた後、こう続けました。

「もう死んでること」

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