2007-05-04

敬語タメ語で分かるコミュニケーション能力

わにとかげぎすの3巻が出た。

知らない人の為に説明すると、わにとかげぎすは32歳で夜間警備員をしている主人公富岡が、深夜、ビルの屋上で流れ星に「友達を……友達を下さい」と希うところから始まるマンガである。作者は稲中古谷実

この紹介で分かるとおり、富岡コミュニケーション能力の低い、世間から隔絶された人間として描かれている。富岡自身もそう言う認識を持っている。

だがしかし、僕にはどうもそうは思えなかった。むしろ富岡は、

コミュニケーション能力は高いけれども、それを使いこなせていない人間

に見えるのだ。

それを一番感じたのが3巻の斎藤との出会いのエピソードだった。

諸々の理由により失業した富岡は、再就職先の同僚として斎藤と言う男に出会う。

この時富岡は始めは敬語なのだが、あるタイミングを境にタメ語に変わる。

説明が難しいのでその会話の一部を抜粋する。

斎「……あいつ浮気してんだぜ」

富「え?」

斎「受付のね…46歳の黒田のり子さんと……浮気してんだ」

斎「こないだ酔っぱらって『生まれて初めて顔射した』って浮かれてたよ……黒田さんとつきあってるのみんなにバレてないと思ってるんだ」

富「あの~…」

富「ガンシャって………何ですか?」

(中略)

斎「富岡さんてさ…パソコン持ってる?」

富「いえ…持ってません…」

斎「もしかしてさ……今時ケーータイですら持ってない人?」

富「うん……持ってない人……まずい?」

(続く)

これ以降、富岡斎藤タメ語となる。

僕は始め読んだ時、あまりにも自然だった為この変化に気がつかなかった。

っていうか確かめてみたところ、1巻でも同じようなシーンがあった。

富岡さんはいとも簡単に敬語タメ語へと転換しているが、僕にとってはそれがとても難しい。

僕は基本的にほとんどの人と敬語である。この前親戚の子供の相手をするときにも敬語を使ってしまい、親御さんに笑われたくらいである。

僕が何故敬語かというと、それは敬語最大公約数的にコミュニケーションを取る事ができる会話の作法だからだ。

ぶっちゃけていえば、最も失敗がないからだ。

だがそれは、同時に友好関係にある一線を明確に引く行為でもある。

「この人は敬語、あの人はタメ語」と言うように。

だから普通の人はどこかのタイミング敬語からタメ語に変わる。

たぶん、ほとんどの人はこんな敬語からタメ語の転換なんて意識せず、無意識的に出来ているだろう。

でもそれが出来ない人間も世の中には存在する。

今のところ僕は、敬語からタメ語に変わると言うのは一種の意思表示だと考えている。

「私はあなたとならタメ語で話したいです。って言うかできたら気軽に冗談を言い合えるような仲に発展したいです」

っていう感じの。

僕はとにかく意思表示が苦手だから、これである程度納得はできる。

でも、どうもそれだけとも思えない。

なんで自分はこんな当たり前の事が上手くできないんだろうか?

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